まずは通信制高校のしくみをご紹介します。
①通信制とは
通信制とは、全日制・定時制に並ぶ課程のことを指します。主な特徴として、高校在学中に行う勉強の学習量の基準の考え方が異なります。学習指導要領においては、通信制高校の学習量の基準として、各教科・科目ごとにスクーリング(登校による面接指導)とレポートの回数が1単位ごとに決められています。
全日制と比較すると比較的緩やかな学習量が下限の基準ですが、学校によっては、週に1日登校や、2日・3日登校、毎日登校など、多様な形態でコース設定を行っており、下限の学習基準を満たすだけではない学習形態となっています。
<学習指導要領で定める学習量の基準>
各教科・科目 | 面接指導(単位時間) | 添削指導(回数・通数) |
国語・地理歴史・公民・数学 | 1 | 3 |
理科 | 4 | 3 |
保健体育(体育) | 5 | 1 |
保健体育(保健) | 1 | 3 |
芸術・外国語 | 4 | 3 |
家庭・情報・専門教科科目 | 2~8 | 2~8 |
②単位制とは
学年ではなく、単位を基準として学習量が決定される仕組みです。通信制高校の大半がこの単位制を採用しています。各生徒のニーズに合わせた学習計画を立てることが可能な仕組みです。
1年間に履修できる単位数は、各校により定められています。高校卒業に必要な最低単位数74単位修得までの計画は、各個人によって異なる計画となります。
単位を基準に考える制度のため、年度内に単位修得できない科目については、次年度に再履修し修得を目指すことが可能です。学年が存在しないため「留年」が無いことも大きな特徴の1つです。
③通信制高校卒業のためには
通信制高校は、スクーリング・レポート・テストの3つを中心に学習を進め、科目ごとに単位修得を目指します。
高校卒業に必要な修得単位数は74単位以上です。また、74単位の修得単位の中には、高校の必履修科目の履修・修得が必要となります。
通信制高校は、他校からの転入学や編入学で在籍している生徒が多いですが、他校での在籍経験があった場合、その在籍期間や修得単位は、通算在籍期間や通算修得単位として、認定されるケースが大半です。
通信制高校は、3年間の高校生活の中で、学習ペースを調整することが可能です。また、事情があって進級できず、転校する場合でも、単位を平均より多く修得することを目指して頑張れば、同級生と同じ時期に卒業を迎えることも可能です。
⇒ 学費制度など